粉飾決算
企業の決算数値に関して、意図的に実際よりも過大または過少に表示された決算を言いますが、一般的には、過大に表示されたことを言います。
外部からの業績に対するプレッシャーが強いと、経営者は業績を良く見せたいという意識が働き
実際の数値をごまかして架空の数字を示してしまうリスクが高くなります。
粉飾決算を行う場合は、損益計算書で売上高や利益額を過大に計上したり、費用を少なく計上することになります。
これを受けて、貸借対照表では資産の過大計上や負債の過少計上が行われますが、一般的に貸借対象項目では、売掛金や在庫で処理されることが多いです。
粉飾決算は一度行うとその解消が難しく、ずるずると引きずってしまい発覚した時には大きな額になっていることが多いものです。
損失の穴埋めのためにさらに大きなリスクの取引を行い、結局、また損失を大きくしてしまうといったことに似ています。
業績が悪いと粉飾の誘惑にかられがちですが注意が必要です。
また、逆粉飾という言葉があります。
これは、言葉の通り、実際よりも過少に数値を調整した決算を言います。
いわゆる脱税的な操作で、この場合に操作されやすい貸借対照表項目は在庫(製品、商品、仕掛品、材料等)になります。
PBR
PBRはPrice Bookvalue Radikoの略で簿価純資産倍率のことで、株価を一株当たり純資産額で割った値を言います。
すなわち、株価が一株当たり純資産額の何倍かを示す指標(=株価÷1株当たり簿価純資産額)で、
その値が1倍未満ということは、その企業の価値(=株価)が解散価値よりも低いということで
割安のお買い得株ということになります。
ところが最近では、大手老舗企業のPBRが1倍未満となっているところが多く金融機関などはその典型です。
投資家にとっては、今お買い得であるということは近い将来に成長すると見込めるからこそ。
その点がクリアになっていないと見た目はお買い得でも実態はダメ企業という評価に過ぎなくなります。
PBRは分解すると、PER(株価収益率)× ROE(自己資本利益率)×になります。
すなわち、PBR=株価/一株当たり純資産額
=株価/一株当たり利益 × 一株当たり利益/一株当たり純資産
=PER(株価収益率)×ROE(自己資本利益率)
このことは、経営者が経営の効率化を図る(=ROEの向上)ことをしなければ、
投資家の期待(PERの向上)に結びつかず、
PBRが必ずしもお買い得株とならないことを意味しています。