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エクジット通信 2015年5月 Vol.32
税務関係のトピック
デューデリジェンス等の費用は、費用?取得原価?
企業の成長戦略としてM&Aを考えるところが多くなってきているようですが、M&Aを実行しようとする場合、通常は事前に、対象会社について法務リスクや財務実態の調査をするためのデューデリジェンス(買収監査)が行われます。このデューデリジェンス費用は、費用とするのか有価証券(子会社株式)等の取得価額に含めるのか判断が難しいケースがあります。
会計上は、企業結合の処理として取得関連費用(外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等)は、発生した事業年度の費用として処理することとされている(企業結合に関する会計基準第26項)ものの、個別財務諸表における子会社株式の取得原価には、取得時における付随費用を含めることに留意する(同第94項、金融商品会計に関する実務指針第56項)とされています。
また、税務上の有価証券の取得原価は、有価証券の購入のために要した費用がある場合には、その費用を取得価額に加算することとされています(法令119①一)。
実務的な対応としては、「当該株式等の購入の意思決定」をした時期で判断することになると思われます。 購入の意思決定後に発生する費用は株式等の取得価額に含め、意思決定前の段階で発生する費用は、「購入するかどうかの意思決定」の参考にする費用(結果として購入しないこともあり得る)として取得価額に含める必要がないという考え方になります。
最終的な購入の意思決定時期が重要となるだけに明確にしておく必要があります。
管理関係のトピック
マイナンバー対応のスタートは全員参加のディスカッションから。
マイナンバー制度への対応は進んでいますか。データ・書類の管理の厳格化、各種規程の整備、本人確認方法の確立等、様々な課題が話題になっています。数多くのセミナーも開催され、中には受付開始数時間で満席になる場合もあるようです(制度、代表的課題については通信1月号でご紹介しています)。
一方で、例えば「企業IT利活用動向調査2015」では回答企業の約17%がシステム対応について「わからない」と回答しています。これらの企業では、システム対応の要否を判断する前提として課題の洗い出しや評価ができていない可能性もあるでしょう。 課題出しでつまずくと効果的に対応を進めることが難しくなります。「個人外注が意外と多くて大変そうだ」とか、「社外関係者の窓口担当者の教育が大変」といった反応がよく聞かれます
一般にマイナンバー対応は総務・人事が中心になる場合が多く、経理や購買(外注管理)が主管する部分はご存じないことがあります。制度への対応のスタートとして、全部門参加の上で課題洗い出しのための1~2時間程度のディスカッション(ショートレビューと呼んでいます)を行うことが有効です。これによって、後になって重大な課題が出ることを防止すると同時に、対応作業を効率的に行うことが可能になります。
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