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エクジット通信

エクジット通信 2012年11月 Vol.2

税務関係のトピック

関税の事後調査について
〜税関による税務調査のポイント

 近年、海外取引が増加している企業も多いと思いますが、海外からの輸入取引を行うと、税関による事後調査が、税務調査と同じように行われることがあります。
 税関の事後調査は、輸入された貨物に係る納税申告が適正に行われているかを確認するため、税関の職員によって行われます。
 事後調査では、税関で把握している通関のデータを税関職員が持参し、通関データと会社で保管するインボイスや送金書類との照合や、関税や輸入消費税の課税標準となる輸入貨物の評価が正しく行われているかの確認を行います。
 輸入貨物の評価を確認する際には、主に以下の点がポイントとなります。
・過去に遡って取引価格値上げがあり、追加で支払いが行われていないか。
・輸入貨物に組み込まれている原材料や部品が輸入相手先に無償や廉価で提供されていないか。
・輸入貨物の製造に必要な金型や設備などの固定資産が無償や廉価で提供されていないか。
・輸入貨物に係るロイヤルティを海外に支払っていないか。
 これらがある場合、支払価格だけの申告では、輸入貨物の評価が低くなっていると思われますので、輸入申告時には実際に支払った価格に加算しておくことが必要になります。

管理関係のトピック

稟議制度の運用について

 稟議制度は、職務権限の委譲が適切に行われていることを前提に、担当者の自由裁量の範囲を超える事項が発生した場合、決定権のある者に決裁を求めるボトムアップの制度です。
 決定権者の決裁を得る過程で、所定の関係部署の責任者に対して情報を伝達すると共に合意を得ることを、稟議書の回覧を通じて簡易的に行う目的があります。当然、内部統制として運用面での充実が必要となります。
 そのためには、この制度が本質的にもっている次のような弊害を理解しておくことが必要です。

稟議制度の弊害 決定に時間がかかりすぎる
責任の所在があいまいになる
事後稟議になりやすい

 なお、稟議制度の整備を通じて、「業務の流れ」「業務の記録化」「記録の保存」「文書の書き方」等の、ビジネスの基本についての再確認が期待されます。

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