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エクジット通信 2021年5月 Vol.104

税務関係のトピック

スキャナ保存制度の令和3年度税制改正について

 コロナの影響により、厚生労働省から働き方改革の一つとしてテレワークが推奨されていますが、経理部でのテレワーク導入はハードルが高いというのが現状のようです。令和3年度の税制改正では、コロナ禍のテレワーク推進、経理の電子化に対応するために、電子帳簿保存法の見直し・柔軟化が図られました。特にスキャナ保存制度において大幅な緩和が為されています。主な改正点は以下の通りです。

①システム要件の緩和
スキャナ保存のシステム要件の緩和として、クラウド保存等が可能になりました。

②事前承認制度の撤廃
電子保存開始前の手続きとして、従来は税務署による事前承認(届出)が必要でしたが、今回の改正で事前承認制度は撤廃されました。

③内部統制要件の緩和
・スキャナ保存特有の要件であったタイムスタンプ付与の日数期限が、従来では3日以内だったのが、最長約2か月以内にまで延長されました。
・従来は必要だった定期検査(原本とデータの突合作業)が廃止され、スキャナ後すぐに原本廃棄が可能になりました。
・従来なら2名以上での事務処理が相互牽制として必要でしたが、この要件も廃止され1名での事務処理も可能となりました。
・従来までは必要だった書類への自署も、今回の改正で不要となりました。
要件が大幅に緩和された代わりに、不正抑止の担保措置として、スキャナ保存について、データ改ざん等の不正が発見された場合にはペナルティとして10%の重加算税が課せられます。本制度の適用は原則として令和4年1月1日からです。

 コロナを機に今後ますますデジタル化が進んでいくと思われます。
 社内のペーパーレス化について、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

管理関係のトピック

テレワーク(在宅勤務)中の労災適用

 最近、新型コロナウィルス感染防止対策として、テレワーク(在宅勤務等)を導入する企業が増えています。テレワークを導入した際に、従業員などからテレワーク中の事故等で負傷した場合に、労災(労働者災害補償)保険は適用されるかという質問を受けることもあるかと思います。そこで、テレワーク中に労災が認められるための要件等について紹介させていただきます。
 原則として、テレワークを行っている従業員についても、一定の要件を満たすことで通常の労働者と同様に労災の適用を受けることができます。厚生労働省も、テレワークで労災が認定された事例として以下のケースをあげています。

<労災が認められる事例>
 自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した。

 ただし、労災と認定されるには、業務起因性(業務と傷病等の間に因果関係がある)と業務遂行性(会社の指示や支配下にある状態)が必要となります。そのため、私的行為または業務を逸脱する恣意的行為を行ったこと等による傷病等については、労災は認められません。例えば、個人的な掃除や洗濯をしていた場合や休憩時間に子供と遊んでいた際のケガについては、私的行為に当たるため、労災は適用されません。  なお、自宅以外で行うモバイルワークやサテライトオフィスへの通勤でも、住居と就業の場所の往復を合理的な経路及び方法で行うことによって被ったケガ等は、通勤災害の対象とされています。

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