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エクジット通信 2019年1月 Vol.76
税務関係のトピック
実地棚卸について
実地棚卸は、正確な売上原価の算定のため決算時において必要となる手続きであるとともに、会社財産の保全の観点からも重要な手続きとなっています。具体的な手続きは商品等の実在性がポイントとなるため、棚卸要領等に従って現物資産を直接的に確認していく作業となります。その結果、数量差異の把握のみならず、不良在庫の選別、品質及び保有期間の状況、倉庫内の整理整頓状況など会社にとって重要な情報が得られることとなります。なお税務面を含めて注意すべき点は以下になりますのでご留意ください。
(1)預け在庫の計上もれ、預り在庫の区分保管
仕入先や外注先に預けている商品がないかの確認を行い、預け先から保管証明書を入手するか、重要性が高い場合には担当者が出向いてカウントすることが必要です。又、他社からの預り品については自社在庫とは区分して保管しておく必要があります。
(2)移動中の在庫の計上もれ
会計処理基準に従って、移動中の在庫の取扱いに注意が必要です。
(3)評価損計上の妥当性
品質低下、陳腐化等による評価損を計上する場合には、計上基準を整備する必要がありますが、損金処理するためには実売価格の実績データなど計上額の算定根拠となる資料を残しておく必要があります。
(4)廃棄損計上時の注意点
棚卸資産を廃棄した場合には、廃棄の事実を証する以下のような記録を残す必要があります。
①処理(産廃)業者の発行した支払証憑、廃棄証明書(マニフェスト)
②廃棄した棚卸資産の写真
③社内の意思決定記録(取締役会議事録や稟議書など)
損金に計上するためには現物の廃棄が必須であり、根拠資料として廃棄証明書を用いる場合は実際の廃棄処分(処分完了日)が期末までに行われているかの確認が必要です。
管理関係のトピック
労働条件の明示方法(労働基準法施行規則改正)
労働基準法第15条では、使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない旨を定めています。この労働条件の明示について、従来は書面の交付に限られており、その他の方法による明示は認められていませんでしたが、労働基準法施行規則の改正に伴い、2019年4月より下記の①または②の方法で明示することも認められることとなりました。
<新たに認められた労働条件の明示方法>
ファクシミリの送信
電子メール等の送信 (ただし、当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
尚、この①および②の労働条件明示の方法については、労働者の希望がある場合にのみ認められるため、労働者の意向を確認することが必要となりますのでご留意ください。
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